昨年からセンター試験から共通テストへと変わった試験。
1年目:センター試験→2年目:共通テストとテストの変わり目を実体験した筆者です。
実際何が違うの?と思う方も大勢いると思います。
何も変わっていません!
多少変更点はありますが…。教科別と全体の2点から見ていきたいと思います!
センター試験→共通テスト
問題の難易度
共通テストのほうが簡単になった、というのが去年の問題自体の難易度だと思います。
実際の難易度
平均点で比較してみると逆に難化しているように見えます。
しかし、これは受験者の不安や緊張の表れかと思われます。
過去問のない新しいテスト形式になったことで、びっくりしたり、緊張しすぎたりして普段通りの実力を出せない。という人が浪人生でも多数いました。
【新】形式というのが、無意識下で不安要素になっていたよう…。
単純に出題形式の変化
教科ごとの変化
国語
大問1の長文読解・論説文
小問の出題順が前後している
段落ごとの文章構成についての問題と、文章全体の内容についての〇×問題が前後しています。
本文と資料を照らし合わせて問題に答える。
新形式の問題!ですが、聞いていることはセンター試験と変わりません。
大問2 長文読解 随筆・小説
後半数問、資料と関連させる問題に変更
後半の数問が本文に対する批評文についての問題になっています。本文の要旨、内容の正確な理解を求められています。
代わりに、1行目に~と書いてあるが…3行目の~は…という本文についての〇×問題が消えています。
大問3 古文
和歌の内容が深く反映されている問題である。
何より最後に新しい和歌(資料)をもう一つ入れて受験者を混乱させようというねらいが推測できる。
大問4 漢文
本文が内容的に類似した2つの漢文になっている。
ちょっと形の違う漢文が2つになっただけで、出題の傾向としては変わりがない。
穴埋め、漢字の読み、意味、現代語訳、内容理解など昨年と同じ問題である。
全体の総評…
文字数が増えた!
資料を多用したり、文章を2つ載せたり、問題を簡単にして数を増やすなど、短時間での処理能力が試されているとも言える。
今までの学習内容で十分に点数が取れる。
学校で指導された内容や、独学、塾で習っている内容、センター試験や受験を見据えた内容になっているのであれば、共通テストも同じような点数になる。
数学
ⅠA
大問1: 命題の問題が短くなって、三角関数が凝縮された感じ。
大問2:前半、文章の虫食いに数字を当てはめていく形式。
後半はデータの読み取りに関する問題。センター試験と変わらず。
大問3:確率の問題。出題傾向としては変わらないが、字数がとにかく多くなった。
大問4:不定方程式と整数解。昨年は循環小数と不定方程式に関する出題だったがそこまで変化はなし。ただ、今後も図形と方程式を絡めた問題が出題されるかも…?
大問5:いつも私は選択しないので無し!(すみません…)
ⅡB
大問1: 三角関数の問題。
大問2:微積・ここはいつも通り。グラフをどうしても入れたかったと見える。
数列:例年通り。
ベクトル:内容的に大きな変化はないが、やっぱり図形を書きたかった模様。図形が問題用紙に印刷されている。
総評
センター試験と共通テストを比べると、私的な感想としては、センター試験のほうが難易度が高い、という印象でした。
ただ、長文で解答者を混乱させる問題が多い為、国語力、読解力がないともしかしたら難しいと感じるかもしれません。
また、図や表、グラフ、対話場面を交えた問題が多かったというのが印象に残る。共通テストの傾向として今後の方針の主軸か…?
英語
リスニング
大問3まではセンター試験と難易度は同じ。出題傾向は絵を見て答えるものが多い。(むしろ簡単?)
大問4:図、表を見て答える問題。毎年恒例といった所か。
大問5:ここから長文。問題を見ながらポイントだけ聞き取るor高めのリスニング能力がないと厳しい
大問6:ここがだいぶ辛い。集中力の持続力が試される。+最後の一問の解答時間が短い!
後半は、一度しか読まれない。
日頃からリスニングだけは耳慣らしをしておく!長時間じゃなくていいけど継続が大事!10分からでも
長文の中から大事な単語だけ聞き取る能力or長文全体を正確に聞き取る能力 が必要!
→ただ、殆どの大学はリスニングの点数割合がとても少ないので、受験校によってはリスニングに点数と時間を割く必要がないかも…?
リーディング
アクセント・文法問題が消滅!→長文の羅列!(問題を見つつ文章を読まないと時間のロスに!or速読)
大問4 相変わらずの表、グラフ、数字とか固有名詞使って問題を作ってくる,,,。
大問5 文章を見つつ、それをまとめた資料の虫食い問題。これは新形式。
大問6 長文が2つ?!問題の傾向としては最後の段落内容並べ替え問題がなくなったくらい。
とにかく字数が多い!自分なりに問題を見てから長文をサラッと読む方法を取得するか、速読するか。
長文に慣れる!毎日最低1長文!これだけ!
生物基礎・地学基礎
変化なし。
基礎科目は出題範囲と内容が少なく、薄いので、過去問を解く等して、労せずして安定して満点を狙える教科。
日本史B
基本的には変化なし。
ただ、資料を読み解く問題に変化した箇所がある。→資料中に答えに近いヒントがあるので難易度としては低め。
センター試験過去問を解いておけば十分に対応できるレベル。
倫理政経
大問1:昨年よりは少し専門的な知識が必要かも…?と思える問題。ただ年単位で難易度に変動があるので今年だけという場合も…
大問2:例年通り。ただ資料とかレポートとか文章が増えた。聞いていることは同じ。
大問3:中?長?文が小問で出現。読む量が増える…といった感想。
以降 :とにかく資料と図を多用した問題。短時間の処理能力さえあれば、難易度的には変化なし。
センター試験過去問は使える?
全教科問題なく過去問として使えます。
唯一、英語のみリーディングの長文問題のみを解くという扱いにはなりますが…。
ただ、出題形式になれること!
各業者が出版している共通テスト予想問題を解くのもおすすめ。業者ごとに特色ある形式で出題してくるので、色々な形になれるという意味で有効だと思います。模試の活用も!
できれば解いてほしいが、最悪眺めるだけでも効果的。
今年の動向予想
センター試験から共通テストに変わるということで、センター最後の年にランクを落としてでも入ろうとした受験者が多数いたことで、共通テスト受験者数も減った。
受験者数
2020年 52万人
2021年 48万人
(独立行政法人大学入試センター調べ)
2022年は2021年の過去問もあるし、受験者数も多少回復すると思われるため、
受験者から見る難易度は
2021<2022<2020
となるかと予想されます。
いつ共通テスト過去問を解くの?
基本的には3年間の履修範囲が終わればすぐにでも。
大体進学校ですと、2年秋、冬、遅くても3年の春には取りかかると思います。
ただ、3年夏休みまでは共通テストと、二次試験対策を並列して行います。
本格的に始めるのは3年夏休み以降がベストです。
基礎が完成しているなら早ければ早いほどいいですが…!
共通テストの心得
センター試験の英語が長文だけになったような、テスト。
大した変わりはないから緊張しすぎない!驚きすぎない!
と本番緊張しないというのは難しいかもしれませんがリラックスは大切です。
同級生で普段とても好成績なのにテスト本番で大失敗してしまった、という知人を何人か見てきました。
一様に共通テスト、という名前の変わったテストに対して緊張感を持ってしまった、力みすぎた、変に構えてしまったというのが失敗の原因です。
本番は自分が一年間、これまでの勉強に費やしてきた時間と努力の丈を自信に変えてリラックスして頑張ってください!
本番に弱いという方は要注意です!
そのためにも過去問を解く、共通テスト模試に参加する。ことをお勧めします。